猫目先輩の甘い眼差し
『他の先生達と協力して、飼ってくれる人を今探してるんだけど……市瀬さんのお家はどう?』
『いやぁ……』
唐突に尋ねられ、返答を濁す。
まめおが亡くなって1年と数ヶ月。
ペットロスは既に乗り越えているものの、まだ新しい家族を受け入れる余裕はない。
『うちは飼う予定はないので……。動物が好きな人に、欲しい人がいないか探してみます』
『ありがとう。よろしくね』
職員室を後にして昇降口へ向かう。
猫ちゃんか……。
お父さんが昔飼ってたみたいだけど……どうだろう。
とりあえず、親戚にも聞いてみるか。
その3日後の昼休み──。
『あっ』
渡り廊下を歩いている途中、保健室の勝手口で、例の猫ちゃんがくつろいでいるのを発見した。
親はおらず、子猫1匹のようだ。
そっと近づいてしゃがみ込むと、ちょこちょことこっちに歩いてきた。
人懐っこいなぁ。
と思ったのもつかの間。
『……これ、欲しいの?』
手に持っている牛乳パックをクンクン嗅いでいる。
お腹の調子が良くなくて、少し残しちゃったんだよね。