猫目先輩の甘い眼差し


『はい、どうぞ』



勝手口の外に置いてあったお皿に注いだ。

のどが乾いていたのか、ものすごい勢いで飲んでいる。


良かった。
捨てる直前だったけど、役に立ったみたい。


バイバイと手を振り、来た道を戻って教室へ。


──その放課後、校舎裏でお腹を壊して震えているのを見つけてしまい、あげたことを強く後悔したのだった。



それから1ヶ月後。



『あ、いたいた』



お弁当を食べた後、真っ先に中庭に向かい、猫達の元へ。

今日は職員室前でくつろいでいる様子。



『トラちゃん、来たよ〜』



声をかけると、ピクッと反応。

起き上がってこっちに来てくれた。


出会ってからほぼ毎日、昼休みと放課後に会いに行ってたら、顔を覚えてくれて、近寄ってくるようになった。

仲良くなれて嬉しい。その反面。



『まだ見つからないのかな……』



先生の話を聞いてから1ヶ月。
引き取りたいと名乗り出てくれた人は、まだいないらしい。

私も、親戚や友人知人、色んな人に聞いて回ったけれど全滅だった。
< 142 / 312 >

この作品をシェア

pagetop