猫目先輩の甘い眼差し
『はい、どうぞ』
勝手口の外に置いてあったお皿に注いだ。
のどが乾いていたのか、ものすごい勢いで飲んでいる。
良かった。
捨てる直前だったけど、役に立ったみたい。
バイバイと手を振り、来た道を戻って教室へ。
──その放課後、校舎裏でお腹を壊して震えているのを見つけてしまい、あげたことを強く後悔したのだった。
それから1ヶ月後。
『あ、いたいた』
お弁当を食べた後、真っ先に中庭に向かい、猫達の元へ。
今日は職員室前でくつろいでいる様子。
『トラちゃん、来たよ〜』
声をかけると、ピクッと反応。
起き上がってこっちに来てくれた。
出会ってからほぼ毎日、昼休みと放課後に会いに行ってたら、顔を覚えてくれて、近寄ってくるようになった。
仲良くなれて嬉しい。その反面。
『まだ見つからないのかな……』
先生の話を聞いてから1ヶ月。
引き取りたいと名乗り出てくれた人は、まだいないらしい。
私も、親戚や友人知人、色んな人に聞いて回ったけれど全滅だった。