婚前契約書により、今日から私たちは愛し合う~溺愛圏外のはずが、冷徹御曹司は独占欲を止められない~

まだ午後七時だ。
本当にこんなに早く帰ってきているとは思わなかったので、奈子はきょとんとしてしまった。

「おかえり、奈子」

「……ただいま」

奈子が手を洗ってルームウエアに着替え、宗一郎の言いつけ通りにダイニングへ行くと、ペンダントライトに照らされたテーブルにはすっかり夕食が準備されていた。

奈子は訝って宗一郎を問いつめる。

「宗一郎さん、お仕事は?」

「仕事をして帰ってきたよ、奈子もそうだろ」

宗一郎は顔をしかめる奈子を見下ろして笑い、手を引いて椅子に座らせた。
メニューはたけのこと桜海老の炊き込みごはんに、春キャベツのみそ汁、豆腐のハンバーグと、ほうれん草としいたけの胡麻和えで、もちろん、どれも完璧においしかった。

そのあとはバスルームへ連れていかれた。
当然、奈子は恥ずかしがって逃げようとしたのだけれど、宗一郎に口説かれて、ついには思い通りになってしまった。
宗一郎は奈子の髪を乾かし、歯を磨かせ、ベッドルームへ運び、腕の中に囲って寝かしつけた。

奈子はその頃になって、ようやく状況を理解した。

宗一郎は奈子を甘やかしている。
きっと、宗一郎なしではいられないようにするつもりだ。
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