婚前契約書により、今日から私たちは愛し合う~溺愛圏外のはずが、冷徹御曹司は独占欲を止められない~
◇ ◇ ◇
宗一郎と奈子は、婚前契約書を書き換えることにした。
リビングのソファに並んで座り、ローテーブルに置いた契約書に目を落とす。
「まず、奈子が書き足した最後の項目」
宗一郎が指をさして示した。
「これを変更して、俺ときみは、お互いを永遠に愛することにする」
「賛成です」
奈子がうなずくと、宗一郎はうれしそうに笑って頬にキスをした。
「それから、後継問題の項目」
眉を寄せてつぶやく。
「子どもをつくることについて、期限を撤廃したい。今はふたりでいる時間を大事にしたいし、なによりきみの体のことだ。鬼灯家の後継問題は、奈子より優先されることじゃない。子どもができても、できなくても、俺がずっと奈子を守るよ」
「反対です」
宗一郎が奈子を見下ろした。
きょとんとして首をかしげる。
「なぜ?」
奈子は宗一郎をじっと見つめる。
「だって本当は、私との子ども、ほしいって思ってくれてますよね」
宗一郎はムッとして正直にうなずいた。
奈子は笑って宗一郎の体に寄りかかる。
「そんな顔しないで、宗一郎さん。私、この子はふたりで守りたいの」
虚をつかれた宗一郎は、しばらく黙っていた。
意味を理解して、パッと目を輝かせ、奈子を腕の中に閉じ込める。
奈子は宗一郎の背中にしがみついてささやいた。
「ね、パパ」