婚前契約書により、今日から私たちは愛し合う~溺愛圏外のはずが、冷徹御曹司は独占欲を止められない~
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グループの主要十三社が集まる鬼灯会は、毎月第一火曜日に開催される。
宗一郎は十一月の鬼灯会で茅島奈子との婚約を正式に報告した。
それから婚約報道で騒ぎになったことを茅島家に謝罪し、結納を執り行い、入籍日や結婚式までのスケジュールも整えた。
すべて宗一郎の思い通りだ。
茅島奈子のご機嫌以外は。
宗一郎はスマートフォンの画面に表示された通知を見て顔をしかめた。
この頃急に寒くなってきたので、婚約者の体調を気遣うメッセージを送ったはずだった。
今も窓の外では雨が降り続き、ホーズキ本社の社長室には暖房を効かせている。
奈子からの返信は、目つきの悪い猫が腕を組んで怒っているスタンプだ。
松濤の家を案内した日、奈子が不満そうだったから連絡先を交換したというのに、宗一郎のメッセージにはへんてこな絵文字やスタンプしか返さない。
そのくせ、佐竹とはしっかり連絡を取り合っている。
両家の顔合わせを兼ねた食事会でも、奈子は決して宗一郎に笑いかけようとはしなかった。
そのくせ、宗一郎の母親とは楽しそうにおしゃべりをする。
茅島奈子はご機嫌ななめなのだ。
「なにかうれしいことでもあった?」
突然、部屋のドアが開き、宗一郎はそろりと顔を上げた。
ノックもなしに入室してくるのは、弟の悠成くらいだとわかっている。