婚前契約書により、今日から私たちは愛し合う~溺愛圏外のはずが、冷徹御曹司は独占欲を止められない~

「きみ、ずっと廊下を行ったり来たりしてただろう」

奈子は恥ずかしさでカッとなって暴れだした。
当然、この体勢では抵抗にもならない。

「いじわる!」

仕方なく目に涙をためて抗議したけれど、宗一郎はうれしそうだった。

「怒らないでくれ。俺だって、はやくドアをノックしてくれたらいいのにと思ってた。いっそのことさっさと捕まえてこんなふうに押し倒せればよかったけど、意地になって約束してしまったからには、待つ以外に方法がなかったんだ」

奈子の胸はきゅんと締めつけられる。
宗一郎の顔にパンチしてやりたい気もしたし、今すぐキスをしてほしい気もした。

とはいえ、ふたりとももう抗えないことはわかっている。

宗一郎は奈子の体に跨ったままトレーナーを脱ぎ捨てた。
太い鎖骨も、三角形に盛り上がった肩も、しなやかな筋肉をまとった腕も、なにもかも奈子とは違っている。

奈子は唇を噛んで、宗一郎の乱れた前髪を指で直した。

宗一郎が奈子の手を捕まえる。
長いまつげの隙間からじっと奈子を見つめてささやいた。

「大事にする」

奈子は小さくうなずいた。

宗一郎の手がキャミソールの下に滑り込んで、直接肌をなぞる。
やわらかいところを握られ、キスをされる。

奈子がじゃれるように宗一郎の鎖骨に歯を立てると、仕返しに胸の先に触れられた。
宗一郎の手の中で硬く尖っていく。

奈子はつま先を丸めて甘い攻め苦に耐えようとした。
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