今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 私が内心で決意を新たにしていると、パパがこんなふうに切り出した。
 基本的にパパは、残業をしない。
 ……いや、正確には私と夕食をとるために定時で帰宅してくれている。代わりにパパは、書類仕事など家で出来る仕事を持ち帰り、私が眠った後に熟していた。
 しかし、家ではできない類の仕事も当然あって――。
「もしかして、今日も終日の剣戟訓練?」
 パパは後進の育成に熱心で、部下任せにせず合同訓練では自ら剣を取って指導にあたる。おおよそ週一ペースで行われる一日がかりのこの訓練の日は、パパの帰宅は深夜になった。
「……いや、今日は別件だ。訓練の日ほどは遅くならん」
 なんだかパパの歯切れが悪い。
「ふーん?」
「ある人から晩餐の誘いを受けたんだが、社交の一貫で断れなくてな。顔を出すことになった。あまり遅くならないうちに暇するつもりだ」
「そっか、分かった。私は先にクレアたちとお夕飯を食べるね。いってらっしゃい!」
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