今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
「これくらいなら大丈夫!」
 言うが早いか、私は火元のベンチに走り寄ると、両手を前に突き出した。
「火の魔粒子さん、ここは燃えちゃいけないところなの。だから今は、鎮まって!」
《あら、そうなの?》
 私のお願いに、気風のいい火の魔粒子の姉さんは怪訝そうに首を傾げた。
「うん、ここはダメなの。その代わり、炭焼き窯でなら目いっぱい燃えてくれて大丈夫よ!」
《ふーん、おかしいわね》
 ……ん? それって、どういう意味だろう?
《まぁ、お嬢ちゃんが言うんならしょうがないわね! いいわ、窯に行くわ!》
 小さく首を捻った私だったが、魔粒子の姉さんが快諾してくれて、先の《おかしい》のひと言に覚えた疑問はあっという間に意識の彼方に消える。
「ありがとう!」
 魔粒子の姉さんは、そのまま他のみんなを引き連れて去っていった。
 みんながいなくなれば、あっという間に火が消える。当然、煙は一瞬では消えてくれないけれど、立ち昇る量は徐々に減っていった。
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