今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

「うん、パパの書類をお届けに行くの」
「でしたら、私もご一緒させていただきますわ」
「えー！　クレアも!?」
　こうしてクレアも加わって、私たち三人は馬車に乗り込んだ。
「あれ？　ベルは行かないの？」
『わしゃあ別に、若造にも若造の職場にも興味はない』
　庭先で丸まったまま一向に乗ってくる様子のないベルに問うと、気のない返事をされた。
「あらら。じゃあ、いってくるね！」
　私が車窓から手を振れば、ベルは手を振る代わりだろうか。ふーりふーりと尻尾を振りながら、ふわぁ～っと大きな欠伸をかいていた。


　馬車に揺られながらクレアとたわいのないお喋りに興じていたら、あっという間に騎士団施設に到着した。
　ジェームズが守衛さんに訪問理由を伝えれば、すぐに入場の許可が出て正門をくぐる。ジェームズの助けを借りて馬車を降り、初めて入った騎士団の施設内をキョロキョロと見渡す。
「わぁ！　広ーい！」