イケメン御曹司が初めての恋をして、天然でかわいい女の子に振り回されちゃう話。
えっと、なんだっけ?
優乃が言ってた言葉。
それを言えばいいって言われた。
「……“ごめんなさい”?」
「っ、いいのよ。早く席に座って、続きからいきましょう」
女教師の促しで自分の席に戻る。
ほんとだ。
優乃の言った通りだな。
まぁ、おれに怒るほうがないだろ。
「聞き間違い?」
「あの要くんが謝ったよ?」
「なにがあった?」
「機嫌いいね」
席に行くまでにクラスメイトからの様々な声が聞こえたけど、すべて聞き流しながら自席に座る。
机に教科書を広げて、残り数分の授業を受けた。
「要。なにかあった?謝るなんて正直驚いたよ」
「べつに」
「教室に戻ってくるとこからおかしいし」
「おれもおかしいと思う」
「は?やっぱりおかしいな。頭打った?」
打ってない。
優しく撫でられはしたけどな。
思い出しただけで、口角が上がる。
「花咲さん?」
「は?なんで」
「要がこうなるのって花咲さんしかいないかなって」
こうなるってどうなってんだよ。
まぁいい。
おれにはこんなところで雑談してる暇はない。