彼女の居場所外伝 ~たんたんタヌキ~
一回戦。
恋愛シミュレーションゲーム。
1人目の同級生、2人目のサッカー部のキャプテンまでは私の方が早かった。
でも、システムに慣れてきたらやっぱり健斗は早い。
3人目の生徒会長でもたもたしていたら、健斗に追い付かれそうになっている。
「あんた、彼女もいないくせになんでこんなのも慣れてんのよ」
「麻由子だってオトコがいないだろ」
「うるさい。私のことはいいのよ」
痛いところを突いてくる健斗の背中を殴りまたゲームに集中する。
「これ作ったのって神田さんだろ。あの人あんな顔して乙女ゲーム作るってさ、そんなに経験ありそうもないくせにひとは見かけによらないな」
「は?これ作ったのカンちゃんなの?」
「え。知らなかった?」
知らない。知らない、聞いてない。
将和さんはただ友人が作ったゲームのプロトタイプだって言ってただけだから。
「神田さんさ、ゲーム会社に何かの仕事で出入りしてて、プログラミングとかに興味が出たから空いてるプライベートの時間に向こうの会社の手伝いに行ってもいいかって親父のとこに許可取りに来てたから」
カンちゃんはこれまた私たちの家の近所のお兄さんで、私たちもよく知ってる。
健斗のお父さんの大学の後輩で、将和さんと同様に健斗のお父さんに強く望まれて会社に入ってもらったんだって以前おば様が言っていた。
カンちゃんは丸い顔にふくよかな体型。むっちりしたアライグマみたいな癒し系だと思っていたけど、就職してすぐに美人さんと結婚していたから癒し系の皮を被っているだけかもしれない。
そういえば、アライグマって見た目と違って結構獰猛だし。
あのアライグマが作った恋愛ゲームか…。
どんな顔して甘ったるい台詞を作っているんだか。なんだかビミョーな気持ちになってきたわ。
いやいや、早くクリアしなきゃ。
とにかく目の前の一勝!
『先生、好きです』
『君は大事な生徒だよ』
『先生キスして』
『だから…俺は教師で、君は大事な生徒だからそんなことはできない』
『じゃあ卒業したらいいの?待てないから。学校辞める』
『そんなこと言うな』
さすがに最終攻略対象。
こんな単純なはずはない。
『わざと0点を取る』
『休日に先生のマンションに押し掛ける』
『無視をする』
なんだ、この3択は…。
それから難解な選択を繰り返し、ギリギリなんとか一回戦勝利!
ふふんっ。
「あと2つも勝つ!」
高らかに宣言すると健斗が呆れ顔をする。
「あれで攻略ってヤバいだろ。後半はただのストーカーだったろ。転勤先を探しだして追いかけるとか、アパートの前で待つとか、怖くね」
うん、私もちょっと引いたよ。
でも、それはそれ。勝負は別物だから。
「はい、次はスイーツの大食い対決ね。10分間でたくさん食べた者が勝ち」
さぁ、勝負だー!
恋愛シミュレーションゲーム。
1人目の同級生、2人目のサッカー部のキャプテンまでは私の方が早かった。
でも、システムに慣れてきたらやっぱり健斗は早い。
3人目の生徒会長でもたもたしていたら、健斗に追い付かれそうになっている。
「あんた、彼女もいないくせになんでこんなのも慣れてんのよ」
「麻由子だってオトコがいないだろ」
「うるさい。私のことはいいのよ」
痛いところを突いてくる健斗の背中を殴りまたゲームに集中する。
「これ作ったのって神田さんだろ。あの人あんな顔して乙女ゲーム作るってさ、そんなに経験ありそうもないくせにひとは見かけによらないな」
「は?これ作ったのカンちゃんなの?」
「え。知らなかった?」
知らない。知らない、聞いてない。
将和さんはただ友人が作ったゲームのプロトタイプだって言ってただけだから。
「神田さんさ、ゲーム会社に何かの仕事で出入りしてて、プログラミングとかに興味が出たから空いてるプライベートの時間に向こうの会社の手伝いに行ってもいいかって親父のとこに許可取りに来てたから」
カンちゃんはこれまた私たちの家の近所のお兄さんで、私たちもよく知ってる。
健斗のお父さんの大学の後輩で、将和さんと同様に健斗のお父さんに強く望まれて会社に入ってもらったんだって以前おば様が言っていた。
カンちゃんは丸い顔にふくよかな体型。むっちりしたアライグマみたいな癒し系だと思っていたけど、就職してすぐに美人さんと結婚していたから癒し系の皮を被っているだけかもしれない。
そういえば、アライグマって見た目と違って結構獰猛だし。
あのアライグマが作った恋愛ゲームか…。
どんな顔して甘ったるい台詞を作っているんだか。なんだかビミョーな気持ちになってきたわ。
いやいや、早くクリアしなきゃ。
とにかく目の前の一勝!
『先生、好きです』
『君は大事な生徒だよ』
『先生キスして』
『だから…俺は教師で、君は大事な生徒だからそんなことはできない』
『じゃあ卒業したらいいの?待てないから。学校辞める』
『そんなこと言うな』
さすがに最終攻略対象。
こんな単純なはずはない。
『わざと0点を取る』
『休日に先生のマンションに押し掛ける』
『無視をする』
なんだ、この3択は…。
それから難解な選択を繰り返し、ギリギリなんとか一回戦勝利!
ふふんっ。
「あと2つも勝つ!」
高らかに宣言すると健斗が呆れ顔をする。
「あれで攻略ってヤバいだろ。後半はただのストーカーだったろ。転勤先を探しだして追いかけるとか、アパートの前で待つとか、怖くね」
うん、私もちょっと引いたよ。
でも、それはそれ。勝負は別物だから。
「はい、次はスイーツの大食い対決ね。10分間でたくさん食べた者が勝ち」
さぁ、勝負だー!