政略夫婦が迎えた初夜は、あまりに淫らで もどかしい
完全に雰囲気に流されたわけだけれど、終わってみれば蓮見さんはすごく丁寧だった。
丁寧というのもそうだけれど、きっと巧かったのだと思う。
先を急がずにじっくり探ってくる指先だとか、柔らかく触れる舌だとか、合間に何十回とされたキスだとか……すべてに余裕が感じられたし、実際にそうだったのだろう。
私はされるがままで、与えられる快感すら持て余し途中からはわけがわからなくなっていたほどだったのに蓮見さんは終始落ち着いていたように思う。
こういうことの偏差値は肌を合わせればわかると誰かが言っていたけれど、それは本当だと悟る。
経験は、蓮見さんの方が断然多い。
私がそれに身をもって知ったように、私の自己申告した経験値は嘘だと蓮見さんにももうバレたはず……と悔しさとバツの悪さを感じながら布団のなかでもぞもぞしていると、後ろから伸びてきた腕に抱き寄せられる。
『それなら多少手荒にしても大丈夫か』
始まる前はそんなことを言って脅かしたくせに、時間をかけて丁寧に私を扱った蓮見さんはこのまま情事後のケアもするつもりでいるのか。
まだ熱の残る腕が甘やかすように抱き締めてくるので、それが気持ちよくて意識が眠気に沈んでいきそうになった。
疲労感も蓮見さんの腕の重みもこもったままの熱も、全部が心地よくてうとうととしかけ、ハッとする。
ベッドからすぐに抜け出しパジャマを羽織った。