政略夫婦が迎えた初夜は、あまりに淫らで もどかしい
「個室タイプのホルダーならセーフかな。ブラシ部分がくっつく可能性があるのは家族以外……いや、パートナー以外は気持ち悪さが勝つ」
昼休みの社食。
隣に座った同期の白崎がコンビニ弁当を食べながら言う。
ちなみに、私が社食で頼んだ和定食を食べ終えそうなところに白崎がコンビニ袋片手に現れたので、私の食事はもう済んでいる。
けれど、隣で食事をする白崎ひとりを残し席を立つのもためらわられ、白崎とは気軽に会話ができることもあり、彼が食べ終わるまでは付き合うことにした。
〝レイドバッグホームズ〟本社の社員は百人強。
六階建てのビルにはそれぞれ部署が入っており、二階が社食などの休憩スペースとなっている。
七十ある席の埋まりは半分程度。営業やアフターケアなど外回りの仕事がある部署は、外で済ませる人も多いため、社食が満席となることはほぼない。
本社ビルの隣のスペースにはモデルハウスが二軒建っていて、そこの受付が私の仕事だ。
モデルハウス内の掃除から始まり、日中の来客受付、モデルハウス内の案内、お茶出し、資料送付、他にも細かい作業が多いけれど毎日楽しく働いている。
制服はグレーのベストとスカートに白いブラウス、そして首元にワインレッド系の幾何学模様のスカーフ。髪は気分次第でまとめたり下ろしたり色々だ。