政略夫婦が迎えた初夜は、あまりに淫らで もどかしい
「いや、意外だなぁって。宮澤は、関係を持った男は意識せずにはいられない不器用なタイプだと思ってたんだよ。たとえ酔った勢いでもひと晩過ごしたら気持ちが割り切れない上、うっかりほだされて好きになっちゃうような。なのに寝たくせに蓮見さんに対してその様子が見られないから驚いてただけ。女は女優って言葉、案外本当だったんだな」
腰を折った白崎がじろじろと間近から見てくるから、頬がカッと熱くなる。
「いやいや、見事だな」と感心した声を出す白崎から一歩離れて、赤くなった顔を手の甲で隠した。
っていうか、どうしてバレて……。
「な、なん、で……」
蓮見さんとついうっかり体の関係になったことは伏せて話していたのに……とうろたえた私に、白崎は「はは」とおかしそうに笑い出した。
「ああ、やっぱりすることはしたのか。俺に相談を持ち掛けてきたくせに何か隠してる素振りがあったからカマかけたんだよ。やっぱり宮澤に女優は無理だな」
「……目指してない。それに、そういう話題を普通に出すのは下品だよ」
いくら気心知れた間柄でもいい気はしない、と表情でも言葉でも不快を示すと、白崎はそんな私を見て「なんだかんだ言ってお嬢様だよなぁ」とケラケラ笑う。
その煽り文句が嫌だと言ったそばからこの態度だ。