愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
夕食に案内されたのはバンケットルームだった。
シャンデリアのきらびやかな明かりの下に、真っ白なクロスのかけられた丸テーブルがいくつも並べられている。
この場所は、オープンのあかつきには結婚披露宴やパーティの会場として使われるそうだ。
どうやら予約の時間より早く来てしまったようだけれど、なんの問題もなく中に通された。
窓際の席に案内され、スタッフが引いてくれた椅子に腰を下ろす。ほどなくして飲み物と料理が運ばれてきた。
会場の雰囲気やテーブルの上の装花から、漠然とフレンチのコースをイメージしていたけれど、そうではなかった。
運ばれてきたのは、地元の食材がふんだんに使われた創作会席。
日本料理の枠にとらわれず西洋風にアレンジした品もあり、中には西洋ハーブも使われていた。
味はもちろんのこと、見た目にも美しい料理の数々に驚嘆するばかり。地元酒造の純米吟醸酒とのマリアージュも文句なしだ。
しかもこのバンケットルームは二階にあって、庭を見下ろせるようになっている。
食事を始めたときはまだ西の空に残っていた太陽はすでに沈みきり、宵闇に包まれた庭に明かりがぽつりぽつりと灯っている。
ゆったりとした空間でふたりきり、素敵な景色を見ながらおいしい料理を食べる。
まるで夢のよう。