愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
***
『ママぁ~!』
後ろから娘の呼ぶ声がして、振り返る。――と同時に走ってきた娘に飛びつかれた。
わたしの足に手を回して太もものあたりにグリグリと顔をこすりつけられて、くすぐったい。
「幸、どうしたの?」
ふふっと笑いながら柔らかな黒髪をなでてやると、彼女はしがみついたまま顔だけを上げた。
『パパが呼んでるよぉ? みーくんとたまちゃんのご飯タイムだよぉって!』
「みーくん? たまちゃん?」
なんのこと?
思わず「猫でも拾ってきたの?」と聞くと、幸はきょとんと目を丸くしてから、ぶんぶんと頭を左右に振った。
『ちがうよぉママ……あ、パパだ!』
幸が指さした方に顔を向けると、祥さんがこちらに歩いてきている。
その“両腕”に、一歳くらいの赤ちゃんたちを抱えて。
息をのみ、その光景にくぎ付けになっていると、足元から声がした。
『みーくんはみずきで、たまちゃんはたまき! 忘れちゃダメだからね、ママ!』
ハッと目が覚めた。
心臓がトクトクトクと早い鼓動を刻んでいる。
「みー君は瑞貴で、たまちゃんは珠希……」
小さく唱えたら、不思議と頭の中でそれぞれの文字まで浮かんできた。不思議と体の芯がじわりと温かくなる。
夢と現実のはざまにいるような、そんな不思議な感覚にぼうっとしていると、「んん」と後ろから聞こえる。振り向いたら、祥さんが目を開けるところだ。
「おはようございます」
「おはよう。もう起きたのか?」
そう言って腰に巻きついたままの腕がキュッと締まり、頬に軽いキスが落ちる。
「ええ。なんだか不思議な夢を見て……」
「夢?」
「それが……」
夢の中身を説明しようとしたら、なぜか記憶に靄がかかったようになる。
「あれ?」と口にし、懸命に思い出そうとしたが思い出せない。
『ママぁ~!』
後ろから娘の呼ぶ声がして、振り返る。――と同時に走ってきた娘に飛びつかれた。
わたしの足に手を回して太もものあたりにグリグリと顔をこすりつけられて、くすぐったい。
「幸、どうしたの?」
ふふっと笑いながら柔らかな黒髪をなでてやると、彼女はしがみついたまま顔だけを上げた。
『パパが呼んでるよぉ? みーくんとたまちゃんのご飯タイムだよぉって!』
「みーくん? たまちゃん?」
なんのこと?
思わず「猫でも拾ってきたの?」と聞くと、幸はきょとんと目を丸くしてから、ぶんぶんと頭を左右に振った。
『ちがうよぉママ……あ、パパだ!』
幸が指さした方に顔を向けると、祥さんがこちらに歩いてきている。
その“両腕”に、一歳くらいの赤ちゃんたちを抱えて。
息をのみ、その光景にくぎ付けになっていると、足元から声がした。
『みーくんはみずきで、たまちゃんはたまき! 忘れちゃダメだからね、ママ!』
ハッと目が覚めた。
心臓がトクトクトクと早い鼓動を刻んでいる。
「みー君は瑞貴で、たまちゃんは珠希……」
小さく唱えたら、不思議と頭の中でそれぞれの文字まで浮かんできた。不思議と体の芯がじわりと温かくなる。
夢と現実のはざまにいるような、そんな不思議な感覚にぼうっとしていると、「んん」と後ろから聞こえる。振り向いたら、祥さんが目を開けるところだ。
「おはようございます」
「おはよう。もう起きたのか?」
そう言って腰に巻きついたままの腕がキュッと締まり、頬に軽いキスが落ちる。
「ええ。なんだか不思議な夢を見て……」
「夢?」
「それが……」
夢の中身を説明しようとしたら、なぜか記憶に靄がかかったようになる。
「あれ?」と口にし、懸命に思い出そうとしたが思い出せない。