外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~


 翌日。午前中、十時過ぎにはマンションを車で出発した。

 行き先は「お楽しみ」と晶さんに言われ、秘密のまま。車は高速道路を走行していく。

 昨日はカメラをプレゼントされ、更に出かけようと言われて浮かれてしまったけれど、落ち着いてくると喜んでいる場合ではないことに気がついてしまった。

 妊娠していると確定してから、いつ、どのタイミングで晶さんに妊娠の事実を告白するか頭を悩ませている。

 ちゃんと心の整理と準備ができてから、自分の口で伝えたい。そう思っている。

 それまではなんとしても妊娠していることは知られてはいけない。

 だけど、妊娠の事実を伝えるときは、私たちが終わりを迎えるとき。

 それがわかっているからか、言い出すタイミングに悩んでいる。

 どうしてこんなに悩ましいのか、胸が重苦しいのか、自分のことなのにわからない。
 
 出発してから二時間少し。車は茨城県の国営公園へと到着した。


「もしかして、公園に連れて来てくれたんですか?」


 公園に近づくにつれ続々と出てきた案内の表示に、もしかしたらと期待に胸を膨らませていた。

 駐車場に入っていくところ、ハンドルを握る晶さんの横顔に目を向ける。

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