外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~


 警察も入り調べ直した結果、無くなっていたのはやはりカメラバッグひとつだった。

 他の客室の被害状況と照らし合わせたところ、空き巣は白昼堂々犯行に及んだようで、私の滞在する部屋の他に三件ほどの被害が出ていた。

 これまで多く海外に滞在してきた経験の中で、犯罪被害に遭うのはこれが初めてのこと。

 モルディブは夜道を歩いても大丈夫だと言われているほど治安もいい場所だというのに、そんな穏やかな国で空き巣という被害に遭ってしまったことにまさかという思いばかりだった。

 現地に来ていた警察官たちは現場を確認後、忙しそうに次の現場へと向かってしまった。どうやら近辺のホテルで同様の被害が起きていると耳にした。

 盗難に遭った物品については盗難届を警察に提出する必要があるため、その書類作成は大使館を訪れたほうが良いと勧められた。

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