過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
教会の写真を眺めながら想像を広げる。
思い起こすのは幼い日に見た従妹の結婚式。使われていたのは、ラメだったのかビーズだったのか。陽の光に反射してキラッキラッと煌めくドレスは、一層物語の世界のお姫様を連想させた。

形はAラインがいいだろう。
生地はあまり光沢の強くないナチュラルなものの方が、周りの自然に馴染みそうだ。
ビスチェ部分はハートカットですっきり見せて、金糸か銀糸で刺繍の入ったものにするか、レースを使用するのもいいかもしれない。
逆にスカート部分はシンプルにして、裾には均等に波が打つように見せる。
背面は編み上げにするか、腰に大きめなリボンをつけるか、その両方でも合うだろうか。
自分の好みのデザインが次々と浮かんでくる。逆に精査するのが難しいぐらいだ。

具体的な指示を出されて以来、毎日がますます充実している。それはパリで研修をしていた頃以上に。

拓斗が帰宅すると、『今日はこの部分をこうした』『こんなアイディアが浮かんで』と、ついつい一方的に話してしまう。彼はそれを、ひと言も漏らさないとでもいうように、真剣に聞いてくれる。ときには『この方が美香らしい』と、迷いに対してアドバイスもくれる。

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