過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
それからしばらくしてきりのよいところで手を止めた。いつもなら、手伝ってくれる真由子と共にお昼休憩に入るのだが、今日はお子さんの体調不良で休みを取っている。気分転換も兼ねて、ひとりで外に出るようと決めて外に向かった。
この辺りはカフェにレストランに、お店が充実している。それほど贅沢はできないけれど、自分へのご褒美だとたまに真由子と外食を楽しんでいる。今日もまだ一度も訪れたことのない、気になっているお店に行こうと意気揚々と歩きだした。
本来なら春になるはずだった私の帰国は、冬真っただ中になってしまった。拓斗に言われるまま、朔也もフェリーチェも忘れてゆっくり過ごしているうちに桜の季節を迎え、今は梅雨の最中だ。幸いにも今日は晴れ間が広がり、蒸し暑さはあるものの青々とした街路樹の間を進むのは心地が良い。
オフィスから歩いて10分弱。大通りから一本奥へ入ったところに目的のお店がある。ネットで紹介されていた写真によると、外壁はツタに覆われており、店内には花やハーブが飾られているらしい。自然に囲まれた雰囲気になんとなく森の教会と通じるものがあって、ずっと気になっていたのだ。
「たしか……ここを曲がればいいのよね?」
誰に尋ねるともなく、端によってスマホで地図を確認しながら呟いた。
どうやら間違いないと確信して歩きだした直後、通りかかったカフェに見知った姿を見つけて思わず足を止めた。
向かい合わせで座る男女の姿を凝視する。少し距離があって、その表情まではわからないものの、間違いない。
「拓斗と……久々莉さん?」
どうしてふたりが会っているのだろう? それほど面識はなかったはずだけど……。知り合いだなんて、ふたりとも言っていなかったし。
「仕事……かしら」
ふたりにそんなつながりなんてないと認識しているだけに、それは違うと否定した。それでは何かと考えても、拓斗が久々莉と会う理由に心当たりはない。
ふたりの接点は、拓斗がフェリーチェへ行ったときに顔を合わせた程度ではないのか。いや、それだって久々莉の話しぶりからしたら、傍観者として拓斗を見ていたにすぎない雰囲気だった。
この辺りはカフェにレストランに、お店が充実している。それほど贅沢はできないけれど、自分へのご褒美だとたまに真由子と外食を楽しんでいる。今日もまだ一度も訪れたことのない、気になっているお店に行こうと意気揚々と歩きだした。
本来なら春になるはずだった私の帰国は、冬真っただ中になってしまった。拓斗に言われるまま、朔也もフェリーチェも忘れてゆっくり過ごしているうちに桜の季節を迎え、今は梅雨の最中だ。幸いにも今日は晴れ間が広がり、蒸し暑さはあるものの青々とした街路樹の間を進むのは心地が良い。
オフィスから歩いて10分弱。大通りから一本奥へ入ったところに目的のお店がある。ネットで紹介されていた写真によると、外壁はツタに覆われており、店内には花やハーブが飾られているらしい。自然に囲まれた雰囲気になんとなく森の教会と通じるものがあって、ずっと気になっていたのだ。
「たしか……ここを曲がればいいのよね?」
誰に尋ねるともなく、端によってスマホで地図を確認しながら呟いた。
どうやら間違いないと確信して歩きだした直後、通りかかったカフェに見知った姿を見つけて思わず足を止めた。
向かい合わせで座る男女の姿を凝視する。少し距離があって、その表情まではわからないものの、間違いない。
「拓斗と……久々莉さん?」
どうしてふたりが会っているのだろう? それほど面識はなかったはずだけど……。知り合いだなんて、ふたりとも言っていなかったし。
「仕事……かしら」
ふたりにそんなつながりなんてないと認識しているだけに、それは違うと否定した。それでは何かと考えても、拓斗が久々莉と会う理由に心当たりはない。
ふたりの接点は、拓斗がフェリーチェへ行ったときに顔を合わせた程度ではないのか。いや、それだって久々莉の話しぶりからしたら、傍観者として拓斗を見ていたにすぎない雰囲気だった。