過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「無理にとは言わない」
そんなふうにさっと引かれたら、逆に聞いて欲しいという気持ちが大きくなってしまう。
この人は聞き上手なのかもしれない。強制しないその姿勢に、なんとなく心地よさを感じ始めていた。
拓斗とは今夜限りの付き合いでしかない。もちろん、解散はこのお店だ。そうだとしたら、私にとって多少情けない話になろうとも、明かしてもいいのではないかと思えてきた。
「日本にいる彼氏に、なんの前触れもなく別れを告げられたんです」
さすがに何と言ってよいのかわからなかっただろう。拓斗は何も言わずに手にしていたグラスを傾けた。
「私が悪いんですけどね」
自嘲気味になってしまうのは、後悔している表れかもしれない。踏ん切りなんて少しもつけられそうにないのだから。
「裏切るようなことでもしたの?」
「もう何カ月も離れているのに、仕事にかまけて彼を蔑ろにして、連絡を怠ってしまったんです」
再び滲みそうになる涙をごまかすように手にしていたカクテル煽ると、マルクにもう一杯オーダーした。
そんなふうにさっと引かれたら、逆に聞いて欲しいという気持ちが大きくなってしまう。
この人は聞き上手なのかもしれない。強制しないその姿勢に、なんとなく心地よさを感じ始めていた。
拓斗とは今夜限りの付き合いでしかない。もちろん、解散はこのお店だ。そうだとしたら、私にとって多少情けない話になろうとも、明かしてもいいのではないかと思えてきた。
「日本にいる彼氏に、なんの前触れもなく別れを告げられたんです」
さすがに何と言ってよいのかわからなかっただろう。拓斗は何も言わずに手にしていたグラスを傾けた。
「私が悪いんですけどね」
自嘲気味になってしまうのは、後悔している表れかもしれない。踏ん切りなんて少しもつけられそうにないのだから。
「裏切るようなことでもしたの?」
「もう何カ月も離れているのに、仕事にかまけて彼を蔑ろにして、連絡を怠ってしまったんです」
再び滲みそうになる涙をごまかすように手にしていたカクテル煽ると、マルクにもう一杯オーダーした。