過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「仕事と俺とどっちが大事、とでも言われた?」
しんみりとした空気を吹き飛ばすように嫌味なく茶化す拓斗に、思わずくすりと笑ってしまった。張りつめていた空気の中では本格的に泣き出してしまいそうだっただけに、この態度はありがたい。
「そうだったとしたら……ずいぶんとかわいらしい彼氏に聞こえますね」
決して朔也には当てはまらないけれど、と心の中で付け足す。
「そうか? 俺が言われる立場なら、かわいらしいどころか鬱陶しいと思うが」
まあ男性からしたらそうかもしれないと、苦笑しながら頷く。
私の中にはこうしている今もなお、未練がましく朔也を思う気持ちが大きく存在している。
そもそも、私たちの付き合いは三年ちかくにも及んでいたのだ。直近の七カ月は遠距離だったとはいえ、そう簡単に忘れられるものでもない。
それでも、私は今笑みを浮かべている。
不思議なもので、こうして他人に話を聞いてもらうと落ち着いてくるのか、朔也に関して少しは冷静になれている気がする。
「彼からそう問われていたら、こんな燻ぶった気持ちにならずにすんだのかもしれないですね」
仕事を持ち出されたら、たとえ苦しい選択だったとしても、今の私は間違いなく仕事を選ぶだろう。もちろん、それでも一緒にいられないかとことん話し合うのが前提で。
幼い頃からの夢が、やっと少しずつ形にできるようになってきたのだ。それを投げ出すなんてできない。いつかは、自分のドレスだって作りたいから。
ただ、今回の別れは違った。彼からは、何も話してもらえていないままだ。
しんみりとした空気を吹き飛ばすように嫌味なく茶化す拓斗に、思わずくすりと笑ってしまった。張りつめていた空気の中では本格的に泣き出してしまいそうだっただけに、この態度はありがたい。
「そうだったとしたら……ずいぶんとかわいらしい彼氏に聞こえますね」
決して朔也には当てはまらないけれど、と心の中で付け足す。
「そうか? 俺が言われる立場なら、かわいらしいどころか鬱陶しいと思うが」
まあ男性からしたらそうかもしれないと、苦笑しながら頷く。
私の中にはこうしている今もなお、未練がましく朔也を思う気持ちが大きく存在している。
そもそも、私たちの付き合いは三年ちかくにも及んでいたのだ。直近の七カ月は遠距離だったとはいえ、そう簡単に忘れられるものでもない。
それでも、私は今笑みを浮かべている。
不思議なもので、こうして他人に話を聞いてもらうと落ち着いてくるのか、朔也に関して少しは冷静になれている気がする。
「彼からそう問われていたら、こんな燻ぶった気持ちにならずにすんだのかもしれないですね」
仕事を持ち出されたら、たとえ苦しい選択だったとしても、今の私は間違いなく仕事を選ぶだろう。もちろん、それでも一緒にいられないかとことん話し合うのが前提で。
幼い頃からの夢が、やっと少しずつ形にできるようになってきたのだ。それを投げ出すなんてできない。いつかは、自分のドレスだって作りたいから。
ただ、今回の別れは違った。彼からは、何も話してもらえていないままだ。