過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「あなたでも、振り向かせられない女性がいるんですか?」
「そりゃいるよ」
すぐさま返ってきた言葉に、そんなものなのかと心の中で首を傾げた。
客観的に見て、これほど素敵な人に一途に思ってもらえるのなら――遊びの付き合いを楽しむような人なら、私には無理だけど――すごく羨ましい。
少しずつ親密さを纏い始めたやりとりに、拓斗がふたりの物理的な距離を縮めてくるのを感じた。頭の中がふわふわした状態では、避けようという発想が湧いてこない。
そもそもこの席は壁際だ。避けるスペースはない。
「じゃあ、美香はどう? 俺になびいてくれるか?」
私が拓斗に、なびく?
戯れで言われているとわかりきっているのに、思わず考えてしまう。
絡みついてくる熱い眼差しに耐えかねて、そっと視線を外した。
「あなたは……素敵な人です。こうして女性を口説くのにも慣れてそうだし、それなりに場数を踏んでそうで……」
「心外だな。そんな経験ないのに」
「信じられないですって」
少しだけ砕けた雰囲気を醸し出して、なんとかこの緊張感を和らげようと試みた。
「ひどいなあ。美香にはうそなんて言わないのに。すべて事実だ」
なんだか意味深な言い回しをされた気がするけれど、それを深く考えられるほど思考は正常でない。
「そりゃいるよ」
すぐさま返ってきた言葉に、そんなものなのかと心の中で首を傾げた。
客観的に見て、これほど素敵な人に一途に思ってもらえるのなら――遊びの付き合いを楽しむような人なら、私には無理だけど――すごく羨ましい。
少しずつ親密さを纏い始めたやりとりに、拓斗がふたりの物理的な距離を縮めてくるのを感じた。頭の中がふわふわした状態では、避けようという発想が湧いてこない。
そもそもこの席は壁際だ。避けるスペースはない。
「じゃあ、美香はどう? 俺になびいてくれるか?」
私が拓斗に、なびく?
戯れで言われているとわかりきっているのに、思わず考えてしまう。
絡みついてくる熱い眼差しに耐えかねて、そっと視線を外した。
「あなたは……素敵な人です。こうして女性を口説くのにも慣れてそうだし、それなりに場数を踏んでそうで……」
「心外だな。そんな経験ないのに」
「信じられないですって」
少しだけ砕けた雰囲気を醸し出して、なんとかこの緊張感を和らげようと試みた。
「ひどいなあ。美香にはうそなんて言わないのに。すべて事実だ」
なんだか意味深な言い回しをされた気がするけれど、それを深く考えられるほど思考は正常でない。