過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
店を出る頃には、涙と酔いでどこか記憶が曖昧になっていた。加えて、前日に一睡もできなかったのも悪かったのだろう。自分の足で歩いてタクシーに乗り込んだ記憶はあるのに、どこかふわふわとして不確かだ。
気づけば大きなベッドに横たえられていた。
ベッドのふちに腰かけた拓斗は、「大丈夫?」と私を気遣ってくれる。
もしかしたら眠ってしまっていたのだろうか。夢と現実の境目が曖昧だ。
問いかけに頷き返すと、さらりと頬をなでた拓斗はゆっくりと顔を近づけて唇を重ねた。
キスなんていつぶりだろう。パリへ来てからそんな相手はもちろんいないし、朔也とだって頻繁に逢瀬を重ねられたわけじゃない。最後に会った時も夜遅くて、話をしてハグをしただけだ。それで本当に恋人だと言えるのだろうかと思うと、チクリと胸が痛んだ。
考えてみれば、朔也と肌を重ねたのはずいぶん前になる。そういうつながりがなくても、自分たちは信頼し合っているのだから大丈夫だと信じていたから、それでも私は平気だった。
そう思っていたのは、自分だけだったのだろう。
「他ごとなど、考えられなくしてやる」
私の意識が違うところに向いていると気づかれてしまったのだろう。
拓斗に触れられながら、朔也を思い起こすとはひどい女だと思う。
まるで私の意識を強制的に自分に向けさせるかのように、拓斗はより深く口づけてきた。それだけで、もともとぼんやりとしていた思考はぐちゃぐちゃに乱されていく。与えられる快感にすっかりとろけてしまった。
気づけば大きなベッドに横たえられていた。
ベッドのふちに腰かけた拓斗は、「大丈夫?」と私を気遣ってくれる。
もしかしたら眠ってしまっていたのだろうか。夢と現実の境目が曖昧だ。
問いかけに頷き返すと、さらりと頬をなでた拓斗はゆっくりと顔を近づけて唇を重ねた。
キスなんていつぶりだろう。パリへ来てからそんな相手はもちろんいないし、朔也とだって頻繁に逢瀬を重ねられたわけじゃない。最後に会った時も夜遅くて、話をしてハグをしただけだ。それで本当に恋人だと言えるのだろうかと思うと、チクリと胸が痛んだ。
考えてみれば、朔也と肌を重ねたのはずいぶん前になる。そういうつながりがなくても、自分たちは信頼し合っているのだから大丈夫だと信じていたから、それでも私は平気だった。
そう思っていたのは、自分だけだったのだろう。
「他ごとなど、考えられなくしてやる」
私の意識が違うところに向いていると気づかれてしまったのだろう。
拓斗に触れられながら、朔也を思い起こすとはひどい女だと思う。
まるで私の意識を強制的に自分に向けさせるかのように、拓斗はより深く口づけてきた。それだけで、もともとぼんやりとしていた思考はぐちゃぐちゃに乱されていく。与えられる快感にすっかりとろけてしまった。