過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「美香が納得するように、何か理由をつけようか」
理由をつける?
話すではなく、つけると言った彼に引っかかりを覚えたものの、とりあえず言い分は聞いておこうと耳を傾けてしまった。今すぐ席を立ってもおかしくないというのに、その意味深な言い回しに身動きが取れなくなる。
加えて、プライベートを知られていると言う怖さもあったのかもしれない。
「理由はふたつ。ああ、俺が美香を好きだからというのは別だよ」
とりあえず真に受けないようして視線で先を促せば、若干不服そうな顔を見せた彼は、やれやれと表情を崩して先を続けた。
「ひとつには、煩わしい身内を黙らせたいからだ」
「えっと、それは早く身を固めろ的な催促でもされるのでしょうか?」
「正解。去年、三十二歳なんて、思いの外早く副社長にされてしまったのが誤算だった。なめられないように、さっさと身を固めろって日に日にうるさく言われている」
ということは、今の拓斗は誕生日を迎えていれば三十三歳か。この年で副社長を任されるぐらいだ。相当優秀な人なのだろう。
拓斗は周りの言動を相当鬱陶しく思っているようで、嫌そうに表情を歪めた。容姿の整っている人は、そんな顔すら魅力的に見えてしまうから不思議だ。
「これまでの経緯を考えたら、むしろ結婚させるために副社長にしたとしか思えない。俺のプライベートを嗅ぎまわって浮いた話がないと判断したのか、やれどこそこのお嬢さんはどうだとか、あの家には適齢期のご令嬢がいるだとか、正直うんざりしている」
浮いた話がない?
これだけの人なら比喩でもなんでもなく、少し出歩くだけで女性に群がられそうなのに。実際、オフィスの女性達も確実に浮足立っていた。この人の見目の良さと立場は、国籍に関係なく通用している。
「美香、またうそだと疑ってるだろ? 俺のここ数年のプライベートなんて仕事三昧だ」
「そ、そうですか」
彼がそう言い切るのなら、まあそうなのだろう。事実など知りようもないのに、想像したって仕方がない。
理由をつける?
話すではなく、つけると言った彼に引っかかりを覚えたものの、とりあえず言い分は聞いておこうと耳を傾けてしまった。今すぐ席を立ってもおかしくないというのに、その意味深な言い回しに身動きが取れなくなる。
加えて、プライベートを知られていると言う怖さもあったのかもしれない。
「理由はふたつ。ああ、俺が美香を好きだからというのは別だよ」
とりあえず真に受けないようして視線で先を促せば、若干不服そうな顔を見せた彼は、やれやれと表情を崩して先を続けた。
「ひとつには、煩わしい身内を黙らせたいからだ」
「えっと、それは早く身を固めろ的な催促でもされるのでしょうか?」
「正解。去年、三十二歳なんて、思いの外早く副社長にされてしまったのが誤算だった。なめられないように、さっさと身を固めろって日に日にうるさく言われている」
ということは、今の拓斗は誕生日を迎えていれば三十三歳か。この年で副社長を任されるぐらいだ。相当優秀な人なのだろう。
拓斗は周りの言動を相当鬱陶しく思っているようで、嫌そうに表情を歪めた。容姿の整っている人は、そんな顔すら魅力的に見えてしまうから不思議だ。
「これまでの経緯を考えたら、むしろ結婚させるために副社長にしたとしか思えない。俺のプライベートを嗅ぎまわって浮いた話がないと判断したのか、やれどこそこのお嬢さんはどうだとか、あの家には適齢期のご令嬢がいるだとか、正直うんざりしている」
浮いた話がない?
これだけの人なら比喩でもなんでもなく、少し出歩くだけで女性に群がられそうなのに。実際、オフィスの女性達も確実に浮足立っていた。この人の見目の良さと立場は、国籍に関係なく通用している。
「美香、またうそだと疑ってるだろ? 俺のここ数年のプライベートなんて仕事三昧だ」
「そ、そうですか」
彼がそう言い切るのなら、まあそうなのだろう。事実など知りようもないのに、想像したって仕方がない。