過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
それはともかく、大企業の副社長という地位にある人の妻に私がなるなんて、絶対に無理だ。周りも納得しないだろう。
このあり得ない状況を回避しようと、混乱する頭で必死に考えを巡らす。
「えっと……その勧められたという女性では、だめなんですか?」
しまった。聞かなければよかったと思っても、一度声に出し言葉は取り消せない。なんとかひねり出した提案は、彼の地雷だったらしい。
拓斗は心底嫌そうな顔をした。そこには怒りすら混ざっているようだ。
「興味もない。よく知りもしない相手を妻にしても、俺のこの先の人生面白くもなんともないだろう。社会人経験もないまま親元でぬくぬくと育ったような女性など、会うまでもなく却下だ。俺は、自分で決めた相手以外は受けつけない。一生添い遂げる相手ぐらい、自分の意志で決める」
そんなの、会って話してみたら印象が変わるかもしれないのに。働いた経験はなくとも、良いところのお嬢さんなら、一般家庭では経験できないような習い事とか勉強とかしているかもしれない。だとしたら、それはそれで楽しい相手になり得る。
それ以前に、今の言い回しはなんなのか。拓斗が私を選んだと聞こえてしまったのは、気のせいだろうか。
「私とだって、あなたと望むような関係になるとは限りませんよ。それに、つり合いが取れてないですよね」
「つり合い? そんなものは関係ない。政略結婚だなんて風習は、うちにはない。よほど問題のある相手ならともかく、常識をわきまえた人なら誰も文句は言わない。そして、美香なら問題ない」
だから、どうしてそう言い切れるのか。
〝美香なら〟という言い回しがなんだか私が特別であるかのように聞こえてしまうが、やはり彼は説明する気がないようだ。さっさと次の話に移ってしまう。
このあり得ない状況を回避しようと、混乱する頭で必死に考えを巡らす。
「えっと……その勧められたという女性では、だめなんですか?」
しまった。聞かなければよかったと思っても、一度声に出し言葉は取り消せない。なんとかひねり出した提案は、彼の地雷だったらしい。
拓斗は心底嫌そうな顔をした。そこには怒りすら混ざっているようだ。
「興味もない。よく知りもしない相手を妻にしても、俺のこの先の人生面白くもなんともないだろう。社会人経験もないまま親元でぬくぬくと育ったような女性など、会うまでもなく却下だ。俺は、自分で決めた相手以外は受けつけない。一生添い遂げる相手ぐらい、自分の意志で決める」
そんなの、会って話してみたら印象が変わるかもしれないのに。働いた経験はなくとも、良いところのお嬢さんなら、一般家庭では経験できないような習い事とか勉強とかしているかもしれない。だとしたら、それはそれで楽しい相手になり得る。
それ以前に、今の言い回しはなんなのか。拓斗が私を選んだと聞こえてしまったのは、気のせいだろうか。
「私とだって、あなたと望むような関係になるとは限りませんよ。それに、つり合いが取れてないですよね」
「つり合い? そんなものは関係ない。政略結婚だなんて風習は、うちにはない。よほど問題のある相手ならともかく、常識をわきまえた人なら誰も文句は言わない。そして、美香なら問題ない」
だから、どうしてそう言い切れるのか。
〝美香なら〟という言い回しがなんだか私が特別であるかのように聞こえてしまうが、やはり彼は説明する気がないようだ。さっさと次の話に移ってしまう。