悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
出会いイベントを逃した日から、アメリアは軌道修正をはかって、手紙などでエリオットにさりげなくアピールしてみた。外出して、とにかく教会に一度立ち寄ってみては、と。
しかし、ことごとく断られてしまっていた。少し話題に出しただけで、嫌な顔をされるしまつだ。王宮を不在にしたくない、のだとか。
その時、アメリアの到着をみはからってか、係の者が呼びに来た。
「そろそろ、ご入場の準備をお願い致します」
「分かった。今、行く」
エリオットが答えて、当たり前のようにアメリアへ腕を差し出した。
兄以外にはしたことがない。アメリアは、彼の腕にややぎこちなく手を添え、エスコートされて共に控室を出た。
「あの、殿下。教会の件ですが、良き印象を与える他にも、実際に目にした方が勉強にもなることもあると思うのです」
エスコートされていることに落ち着かなくて、入場口へ向かいながらアメリアは切り出した。するとエリオットが、すぐ顰め面を返してきた。
「またそれか。なんだ、お前は俺に、王宮から不在になって欲しい理由でもあるのか?」
「え? いえ、そういうわけでは」
どうしてか疑い深く覗き込まれてしまい、アメリアはたじろいだ。
その時、入場口に辿り着いた。両側に立っていた騎士達が、一つ頷き、互いに合図をして扉を左右から押し開く。
「第二王子殿下、ならびにご婚約者様のアメリア嬢のご入場!」
しかし、ことごとく断られてしまっていた。少し話題に出しただけで、嫌な顔をされるしまつだ。王宮を不在にしたくない、のだとか。
その時、アメリアの到着をみはからってか、係の者が呼びに来た。
「そろそろ、ご入場の準備をお願い致します」
「分かった。今、行く」
エリオットが答えて、当たり前のようにアメリアへ腕を差し出した。
兄以外にはしたことがない。アメリアは、彼の腕にややぎこちなく手を添え、エスコートされて共に控室を出た。
「あの、殿下。教会の件ですが、良き印象を与える他にも、実際に目にした方が勉強にもなることもあると思うのです」
エスコートされていることに落ち着かなくて、入場口へ向かいながらアメリアは切り出した。するとエリオットが、すぐ顰め面を返してきた。
「またそれか。なんだ、お前は俺に、王宮から不在になって欲しい理由でもあるのか?」
「え? いえ、そういうわけでは」
どうしてか疑い深く覗き込まれてしまい、アメリアはたじろいだ。
その時、入場口に辿り着いた。両側に立っていた騎士達が、一つ頷き、互いに合図をして扉を左右から押し開く。
「第二王子殿下、ならびにご婚約者様のアメリア嬢のご入場!」