悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
アメリアは、改めて自分が転生した立ち場を考えた。そうすると滅亡フラグは立たないので、婚約破棄で被る損害だけが問題点だろう。

「お引き受けしますわ」

まずは了承の返事を先にした。あっさりオーケーがもらえるとは思っていなかったのか、意外そうな顔をしたエリオットにこう続ける。

「私はただの伯爵令嬢であって、王族からの縁談話を断れる立ち場でもありまんから。ただ、その代わり、保障して欲しいのです」

「保障?」

「一時的な婚約については、あなた様からのご提案です。その理由が縁談の煩わしさであれ、ただの女避けであろうと私は構いません。しかし、婚約破棄によって私の立ち場が危ぶまれたり、家に迷惑がかかってしまっては困ります」

違約金やら、婚約破棄された女やらという面倒なことは避けたい。何より、アメリアは父に悲しい顔をさせたくなかった。

「私からの要望は、ただ一つ。婚約破棄する場合、互いに損のならないようにして頂きたいのです」

強く告げると、彼がようやく理解したという顔で「なるほど」と顎に手をやった。

「では、俺の方から婚約破棄を――」

「するのは簡単かと思いますが、その場合、私が被る損が大きくなります」

アメリアは、失礼を承知で彼の言葉を遮って、ぴしゃりと言った。ここは大事なところだ。指を立てながら一つずつ、しっかり言い聞かせる。

< 18 / 230 >

この作品をシェア

pagetop