悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
エリオットが、鷹揚に頷いてきた。

「お前が成人するまでの三年、俺の婚約者をやってもらいたい。互いに悪い話ではないだろう。ここで婚約をしておけば、しばらくは煩わしい交流やら縁談話から離れられる」

期限を設けての婚約。しかし、彼は後にゲームヒロインを見初め、彼女との恋のためにの婚約破棄、と理由が変わるのだ。

そう考えて、ついアメリアは返事をするのを忘れていた。それを渋っているとでも取られたのか、彼が顔を顰めて追って言ってくる。

「俺はしばらく結婚する気はないし、お前だって遊んでいる身だろ」

ゲームの悪役令嬢アメリアは、この時はただ意地悪そうだと誤解されているだけの娘だ。彼女は戸惑いがちに、『そんなことありません』としおらしく答えていた。

でも、今のアメリアは違う。

「まぁ、そうなんだけど……」

アメリアは、否定せず曖昧に返答した。

悪い印象であれば好都合だろう。好き勝手にやっていると思われているのなら、自由に動けるし、ゲームヒロインと勝手にやってくれと思う。

自分がこの世界でやるべき使命は、推しの幸せを見守ることだ。そして、ゲームには描かれていなかった、彼女の最高のエンディングを見届けることである!

今の〝私〟は、ヒロインとの恋路を邪魔することはない。

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