悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
大人びたドレスに身を包んだミッシェルは、長い銀髪を初めて結い上げていた。ドレスのスカート部分は、いくつもの種類の布がふんだんにあしらわれてウェーブを作り、銀を織り込んでちりばめたかのようにキラキラしている。
そんな彼女が、恥ずかしそうながらも笑顔で応えて、両親に寄り添い人々の間を進んでいく。
足りなかったのは、恐らくは一歩踏み出す勇気。
彼女が、まさか自分の能力を高いとは思っておらず、身体が弱かった幼少期の頃を申し訳なく感じていて。そして自身の銀髪にもコンプレックスを抱いていたなど、誰も予想していなかったことだろう。
つい立ち止まってしまっていたアメリアは、そっとエリオットに手を引かれた。
「お前は、本当にミッシェルを〝尊敬していて好き〟なんだな」
歩き出しながら、アメリアはぼうっとしてしまって、今の自分が誰であるだとかも関係無しに「うん」と素の反応で答えた。
「ミッシェル様は、私のドン底だった人生に、突然さした明るい星、みたいな人だったの」
――この世界でも、前の世界でもそうだった。
答えながら思い出した。ああ、そうだ、彼女は私の心を、救ってくれた人だったのだ、と。
脳裏に蘇ったのは、社会人生活を始めて心身共に疲れ切った自分だった。気づいたら数年が過ぎていて、新たな漫画やアニメにもハマれなくなって、友人達が誘うコミケもいくつか逃すくらいに疲れていた。
そんな彼女が、恥ずかしそうながらも笑顔で応えて、両親に寄り添い人々の間を進んでいく。
足りなかったのは、恐らくは一歩踏み出す勇気。
彼女が、まさか自分の能力を高いとは思っておらず、身体が弱かった幼少期の頃を申し訳なく感じていて。そして自身の銀髪にもコンプレックスを抱いていたなど、誰も予想していなかったことだろう。
つい立ち止まってしまっていたアメリアは、そっとエリオットに手を引かれた。
「お前は、本当にミッシェルを〝尊敬していて好き〟なんだな」
歩き出しながら、アメリアはぼうっとしてしまって、今の自分が誰であるだとかも関係無しに「うん」と素の反応で答えた。
「ミッシェル様は、私のドン底だった人生に、突然さした明るい星、みたいな人だったの」
――この世界でも、前の世界でもそうだった。
答えながら思い出した。ああ、そうだ、彼女は私の心を、救ってくれた人だったのだ、と。
脳裏に蘇ったのは、社会人生活を始めて心身共に疲れ切った自分だった。気づいたら数年が過ぎていて、新たな漫画やアニメにもハマれなくなって、友人達が誘うコミケもいくつか逃すくらいに疲れていた。