悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
おかげで愛おしさ神級のミッシェルの表情も、全てしかと目に焼き付けた!

「お前、俺が隣にいるのを忘れるなよ」

一時、本気で存在を忘れさせられていたエリオットが、若干苛立った声で悔しそうに呟いた。

アメリアが謝ろうとした時、後ろから知った声が聞こえてきた。

「私も、大変『最高』でした」

まさかと思って振り返ってみると、そこには近衛騎士隊長としてマントまでしているクラークの姿があった。

「クラーク様っ、どうしてここに!?」

確か、打ち合わせでは、ダンス終了後だと聞いていた。

「鼻血を出しまして」

「鼻血!?」

「クラーク、お前一体何をやって――」

「私はこらえられたのに、クラーク様は無理だったんですか!?」

言いかけた横から、そう叫んだアメリアをエリオットが見やる。

「ん? なんですか?」

「いや……そういえば、お前らは同じ〝猛烈なファン同士〟だったなと思い出した」

諦め気味にエリオットが手を額に当てる。アメリアは、同志を心配してすぐにクラークへと目を戻した。

「それで、大丈夫だったんですか? 陛下達のおそばだったんでしょう?」

「はい。唐突の出血で、両陛下も驚かれたようです。頭をぶつけたわけでもないのにと、部下と周りの者達にも騒がれまして」

「まぁ、いきなり鼻血が出たらそうなりますよね……。クラーク様は、なんて答えたんですか?」

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