悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「ふふっ、こんな君が見られるなんて、勇気を出して告白して良かったな」

くすりと彼が笑った。

彼女の目を見て、答えを既に分かっているようだ。幸せそうに微笑んだマティウスを見て、ミッシェルが恥じらいつつも唇を尖らせる。

「……私も、今日、ここで告白ようとしていたんだ。あなたが、好きだと」

「ミッシェルは、相変わらず凛々しいなぁ。でもね、プロポーズくらい、僕に譲ってよ」

彼が小さく笑えば、ミッシェルも「ふっ」と柔らかな笑みをもらして、「確かに」と緊張も解けた相槌を打った。

「ねぇミッシェル。どうか、ずっと僕のそばにいて」

改めて、マティウスが微笑んでそう言った。

その手を、きゅっとミッシェルは握り返す。互いの気持ちが通じた喜びなのか、それとも観衆に見られている恥ずかしさからなのか。彼と同じように少し頬を染めたまま、穏やかに笑い返して頷いた。

「はい。喜んで」

直後、会場内は大歓声に包まれた。第一王子マティウスがプロポーズし、侯爵令嬢ミッシェルがそれを受け入れたと一気に賑やかになった。

あっという間に、マティウスとミッシェルのもとへ人が集まる。

「はぁーっ、この瞬間が見られて最高!」

たまらん!とアメリアは、手を組んで目をうるうるさせた。

とっても素敵なプロポーズイベントだった。王子であるマティウスからの、というところもまたキュンキュンした。

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