あやかし戦記 葛藤の炎
「なら、レオナードの遠足気分をなくすために任務の内容を話すよ」

ヴィンセントがギルベルトから貰った手紙をかばんから出す。ギルベルトの元に海の越えた国から手紙が届いたのが始まりだ。手紙の送り主はジェイムズ・ポールと言い、ホーリー村の村長である。

「ホーリー村で、夜になると村人の誰かが行方不明になる事件が多発している。行方がわからなくなった人たちは、村の用水路や道端など、様々なところで惨殺された状態で発見される。警察が捜査をしているが、犯人は未だに見つかっていない。妖の仕業かもしれないと思い、この村長はアレス騎士団に手紙を送ったんだ」

「でも、どうして村長さんはアレス騎士団の存在を知っているの?この騎士団は公にされていない組織なのに……」

イヅナが疑問を口にすると、ヴィンセントはすぐに答えを教えてくれた。どうやら村長は今は引退したものの、元々はアレス騎士団の一員だったらしい。そのため、妖の可能性を視野に入れ、エーデルシュタイン家に手紙を送れたのだ。
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