No rain,No rainbow
逆らい難い、誘惑。

律さんといちど、目を合わせようものなら、2度と目線を外せないことを分かっている。

キスが欲しいのか、その目に心の奥底まで見つめてほしいのか、ただ単に私をずっと見ていて欲しいのか。

そのどれをも欲している。

そのことに気がついて、自分自身に愕然とする。

あれがしてほしい。

これがしてほしい。

そのことを素直に願えてまた、それをすべて叶えてくれるひとが、私とちゃんと向き合ってくれているなんて。

でも、もしいつか、律さんに嫌いになられたら?

もし、お前なんかもういらない。と思われたら?

想像しただけでこわくなって、感情がぐちゃぐちゃになる。


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