ウソツキハート



その夜、あたしの携帯に掛かってきた電話。



初めて聞く、彼の奥さんの声。



『ごめんなさい。』



彼女の第一声は、そんな言葉で。



ずっとずっと、知っていたと。



あたしと彼の関係を。



でも、何も言わなかったのは諦めていたから。



彼との関係を修復することを。



あなたに任せてしまっていたから。彼を癒すことを。



あたしにはそれが出来なかったから。



でも、もう一度、彼とやり直したいの。



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