ウソツキハート



彼女は気がついていないのだろうか…?



あたしがシアワセを壊しかけた、張本人だって。



声しか聞いていないし、こうしてあたしに話しかけて来たということは、気がついていないのだろうけれど。



でも、やっぱり落ち着かなくて。



適当な言い訳を考えて、立ち上がろうとしたとき、



「絵画とか、興味あります?」



赤ちゃんをあやしながら、唐突に彼女があたしに問いかけた。



「絵画…ですか…?」




まぁ、嫌いでは…ないです…。



戸惑いつつも、そう答えた。



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