政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
泣きそうになりながら容赦ないキスに耐える。
今までのキスは楓君の配慮があったことを知った。息をしやすいように、優しくしてくれていた。
しかし今は違った。
「…はぁ、…っ…」
総身が赤く色を付け、胸で大きく息をする。同時に彼の指が弱い部分を執拗に攻め立てる。
「か…えでくん…」
「何、もうギブアップ?」
嘲笑するようにそう言うと、かみつくように首筋、そして胸にキスを落とす。
時折痛みが走り、顔を歪めた。
子供は欲しいとは言った。でもそれが目的のセックスは嫌だった。
本当は…―、
愛し合ってしたいのに。
政略結婚にそのような幻想を抱くのは間違っている。わかってはいるのに。
本当に今日の彼は一切の容赦はなかった。前回は初めてということもあり私の体を労わってくれたのかもしれないが確かにもう初めてではない。
「四つん這いになって」
「…え、」
「今日は色々教えてあげるよ。日和、何も知らないから」
力の入らない腕で何とか体を支えるが彼が入ってくるとそれは無理だった。
すぐに枕に顔を突っ伏して不規則に動く体に合わせて泣き声に近い声を出す。
「日和?大丈夫?」
いつもの”大丈夫?”ではなかった。どこか棘のある言葉に、首を横に振るので精一杯だった。
彼の舌が背中に這うと、更に体をびくつかせた。背中が一気に粟立つのを感じ、まだ余裕そうな彼の声が耳元でする。
だんだんと意識が遠のいていく。いつ終わったのかわからないまま、私は眠っていた。
「日和が欲しい」
低い声が遠くから聞こえた気がした。