政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
♢♢♢

翌朝アラームの音よりも早く目覚めた。

重たい体を起こすと彼が隣で眠っているのに声を上げそうになった。

「…何、これ」

 胸元だけじゃない、腹部にもつけられた跡を見て目を見開く。
真っ赤な跡は、背中にもついているのではと思い、彼が起きないようにそっとベッドから出ると散らばる下着やパジャマをもって寝室を出た。
自分の部屋に戻るとすぐに全身鏡でそれを確かめる。

「っ…」

 背中にもしっかりと跡があった。確かに何度も痛みがあったがまさかこれだとは思ってもいなかった。

目を伏せ、昨夜のことを思い出す。
最後まで記憶がないのは、きっと私の体力が持たなくて終わると同時に眠ってしまったからだろう。

時計を見るともう少しで彼も起きてくる時間だ。早く朝食を作る準備をしなければ、と思っていたがどうしてか体が重い。
昨日のセックスのせいかとは思っていたが、どうしてかいつもと違う。
体が重いだけじゃない、悪寒がする。


「…もしかして、風邪?」

私は、急いで普段は全く使用しない体温計を取り出して計ると…―

体温計のディスプレイには”38.5”と表示されていた。

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