政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
「今、一瞬だけ家出るけどすぐに帰ってくる」
「え?!仕事は?」
「午前だけどうしても外せない仕事があるけどそれ以外は大丈夫。一緒に病院に行こう」

体温計を私に手渡す彼に先ほど計ったことを伝えると、
「何度?」
「えっと…38度くらい…」
「なんで言わないんだよ。俺が気づかなかったら言わないで無理してたってこと?」
「別にこのくらい大丈夫かなって」
「大丈夫じゃない。ちゃんと言って」

そう言うと彼は私の手を握った。彼の手が冷たいのか、私の手が熱を持っているのか、温度差に驚きながらも心底心配している彼から目を逸らした。

「…じゃあ、今日は休むね」
「治るまで家事はやらなくていいから。夕飯も俺が用意する」
「いいよ!楓君は外で食べてきて。私は…なんか出前?とかとるから」
「もっと頼っていいんだって。俺は日和の夫だから」
「…」
「あと、ごめん…昨日無理させたから熱が出たのかもしれない」
「違うよ!別に無理はしてないよ…子供作らないといけないし」

と、楓君の会社用のスマートフォンが鳴った。

先ほど一旦私の部屋を出たのは、会社に連絡をしたのかもしれない。
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