政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
「その病院、多分日和の幼馴染が勤めているところだと思う」
「…え?」

 力が入らなくてつい楓君に体を預けるような体勢になった。すぐに離れようとするも、背中に手を回されて抱きしめられた。

「できればそこは避けたかったけど一番近いし待ち時間も短い方がいい。そこに行こう」
「うん…」

 熱くてボーっとする頭を携えながら、どうして松堂君の働く病院を避けたかったのかなと考える。しかしそこまで考える体力がない。

「昨日はごめん。別に子供作るための行為じゃないから」
「謝ることじゃないよ。子供作らないといけないから…」
「子供作るために抱いたんじゃない。昨日は…日和が欲しかったから抱いた。無理に抱いてごめん」
「大丈夫だよ。無理してないから…」

ぎゅうっと私を抱きしめる力を強める彼を抱きしめ返したいのにそれが出来ない。本当に体が重い。
 彼はそのまま私の体を支えるようにして家を出た。

 家を出ると既にマンション前に車が停まっている。助手席に乗り込むとすぐに発進した。
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