政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
楓君に付き添われながら長椅子に座り初診ということもあり症状などを記入した。自宅でも検温したが、再度病院でも熱を計るとやはり38.6度とディスプレイに表示される。
高熱のせいで呼吸をするのも億劫だ。
ボーっと自分の足元を見ているとすぐに名前が呼ばれる。
楓君も一緒に診察室について来ようと立ち上がるが私がそれを制した。
「大丈夫、近いから…それに看護師さんもいるから」
「…わかった」
ゆっくりと立ち上がり、診察室に向かった。
ここが松堂君の勤務先か、彼に診察されるのかな思ったが他にも常勤医師はいるはずだ。
名前を確認されてから診察室に入ると、そこには…―。
「西園寺日和さん、ですね」
「…松堂君…」
眼鏡をかけた穏やかな笑みを浮かべる幼馴染がいた。いつもと違うところは、敬語なのと白衣を羽織っていることだ。
急に具合が悪くなって、医師をしている幼馴染に診察してもらうなど特殊過ぎる状況に緊張しながらも椅子に腰かける。
「まさか日和だとは思わなかったよ。名前が同じだからもしかして、とは思ったけど」
「…ちょっと風邪ひいてしまって」
一瞬だけため口だったがすぐに仕事モードになる。
そういうところは楓君も同じだと思った。
「じゃあ、喉と胸の音聞かせてください」
「あ、…はい」
「コートを脱いでもらっても…?」
背後にいる看護師さんにそう言われわかりました、と言って脱いだ。寒くて直前まで羽織っていたかったが診察前に脱いでおくんだった、と思った。
高熱のせいで呼吸をするのも億劫だ。
ボーっと自分の足元を見ているとすぐに名前が呼ばれる。
楓君も一緒に診察室について来ようと立ち上がるが私がそれを制した。
「大丈夫、近いから…それに看護師さんもいるから」
「…わかった」
ゆっくりと立ち上がり、診察室に向かった。
ここが松堂君の勤務先か、彼に診察されるのかな思ったが他にも常勤医師はいるはずだ。
名前を確認されてから診察室に入ると、そこには…―。
「西園寺日和さん、ですね」
「…松堂君…」
眼鏡をかけた穏やかな笑みを浮かべる幼馴染がいた。いつもと違うところは、敬語なのと白衣を羽織っていることだ。
急に具合が悪くなって、医師をしている幼馴染に診察してもらうなど特殊過ぎる状況に緊張しながらも椅子に腰かける。
「まさか日和だとは思わなかったよ。名前が同じだからもしかして、とは思ったけど」
「…ちょっと風邪ひいてしまって」
一瞬だけため口だったがすぐに仕事モードになる。
そういうところは楓君も同じだと思った。
「じゃあ、喉と胸の音聞かせてください」
「あ、…はい」
「コートを脱いでもらっても…?」
背後にいる看護師さんにそう言われわかりました、と言って脱いだ。寒くて直前まで羽織っていたかったが診察前に脱いでおくんだった、と思った。