政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
「従業員同士のトラブル?誰か怪我でもしたのか」
「いえ、従業員が故意にぶつかりそれによってこのワゴンが倒れたようです」
「故意にぶつかったかどうか何故わかる」
「それは、状況的にそう判断しました」
「ではその状況を説明してくれ」
「いえ。このような問題に副社長が関わる必要はないかと」
楓君は一切表情を変えない。
普段、家で見る彼の顔ではなかった。冷徹な印象しか与えない態度に戸惑いながらもどうにか私のせいではないことを伝えようとした。
「私は…何も…」
「そろそろお時間も迫っています。ここはマネージャーに任せましょう」
「いや。俺が関わる理由はある」
「…」
清川さんのこめかみがピクリと動いた。
楓君は静かに私と斎藤さんを見る。斎藤さんに視線が移ったところで
「西園寺日和は私の妻なので」
「…え、」
そう斎藤さんに向かって言った。
一番に驚いたのは私だった。絶対に秘密にしてほしいと言ってこの職場で働かせてもらっていて今もそれは守られていた。一部の人しかそれは知らない。
それなのに、楓君がそのことを簡単にばらしてしまった。
斎藤さんの顔がみるみるうちに青ざめていく。
「いえ、従業員が故意にぶつかりそれによってこのワゴンが倒れたようです」
「故意にぶつかったかどうか何故わかる」
「それは、状況的にそう判断しました」
「ではその状況を説明してくれ」
「いえ。このような問題に副社長が関わる必要はないかと」
楓君は一切表情を変えない。
普段、家で見る彼の顔ではなかった。冷徹な印象しか与えない態度に戸惑いながらもどうにか私のせいではないことを伝えようとした。
「私は…何も…」
「そろそろお時間も迫っています。ここはマネージャーに任せましょう」
「いや。俺が関わる理由はある」
「…」
清川さんのこめかみがピクリと動いた。
楓君は静かに私と斎藤さんを見る。斎藤さんに視線が移ったところで
「西園寺日和は私の妻なので」
「…え、」
そう斎藤さんに向かって言った。
一番に驚いたのは私だった。絶対に秘密にしてほしいと言ってこの職場で働かせてもらっていて今もそれは守られていた。一部の人しかそれは知らない。
それなのに、楓君がそのことを簡単にばらしてしまった。
斎藤さんの顔がみるみるうちに青ざめていく。