政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
「どうしても行きたい!」
「どうしても?」
「他の人は来ないの?楓君のお父さんとか」
「もちろん出席するよ。役員も」
「奥さんたちは?」
「多分来るだろうけど」
「じゃあ私も出席したい!」
頑なに意見を曲げない私に対して、諦めたように息を吐いてわかったと一言呟く。楓君にとって私は、妻としての役割を果たせないという“評価”なのだと思う。
つまり、その評価を覆すほど完璧な妻を演じることが出来ればいいわけで。
「ドレスは持ってる?」
「何着かあるけど…もっといいものにした方がいいかな」
「いや、別に気にしなくていいよ。でも買いたいのなら好きなの買ったらいい」
「ありがとう」
悔しさと一言で片づけられない感情が胸の中で渦巻いていた。
これをバネにもっといい奥さんになって清川さんを見返したい、そう思っていた。
「じゃあ、お風呂入ってくるね!」
「うん」
私は夕食を食べ終えるとすぐに浴室へ向かった。