政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
…―…
…
お風呂で長く浸かっていたせいで、若干のぼせてしまった私は自分の部屋で水を飲みながらボーっとしていた。無音の部屋のソファの上で足を抱えるようにして座っていると、ドアをノックする音に顔を上げた。
「日和」
もちろんノックした人物は楓君である。
「日和、大丈夫?上せた?」
「ちょっとね。でも、落ち着いた」
「よかった。あのさ、」
「うん?どうしたの?」
「今日は金曜日だけど一緒に寝る日じゃない?」
「…あ」
すっかり忘れていた(パーティのせいで)それを思い出し私は唇を半開きにしながら固まる。
そうだった、今日は一緒に寝る日だ。
すっかり忘れていた私に、少し機嫌の悪くなる楓君は「どっちの部屋で寝る?」と訊く。
「えっと…楓君の部屋で…」
「わかった。じゃあ、待ってる」
「…うん」
お風呂で上せている場合ではなかった。楓君がなんとも思っていないことは知っているが、私は意識しているから心の準備が必要だ。
しかし、既にお互いお風呂にも入っているし既に寝ようとしていたところだ。自分の胸に手を当てると、バクバクと心音が煩いほどに伝わってくる。
「…よし、行こう」
一緒に寝るといっても、何かするわけでもないし距離を縮めるための必要事項である。
それだけ、だ。
何度も深呼吸をして私は自分の部屋を出る。
…
お風呂で長く浸かっていたせいで、若干のぼせてしまった私は自分の部屋で水を飲みながらボーっとしていた。無音の部屋のソファの上で足を抱えるようにして座っていると、ドアをノックする音に顔を上げた。
「日和」
もちろんノックした人物は楓君である。
「日和、大丈夫?上せた?」
「ちょっとね。でも、落ち着いた」
「よかった。あのさ、」
「うん?どうしたの?」
「今日は金曜日だけど一緒に寝る日じゃない?」
「…あ」
すっかり忘れていた(パーティのせいで)それを思い出し私は唇を半開きにしながら固まる。
そうだった、今日は一緒に寝る日だ。
すっかり忘れていた私に、少し機嫌の悪くなる楓君は「どっちの部屋で寝る?」と訊く。
「えっと…楓君の部屋で…」
「わかった。じゃあ、待ってる」
「…うん」
お風呂で上せている場合ではなかった。楓君がなんとも思っていないことは知っているが、私は意識しているから心の準備が必要だ。
しかし、既にお互いお風呂にも入っているし既に寝ようとしていたところだ。自分の胸に手を当てると、バクバクと心音が煩いほどに伝わってくる。
「…よし、行こう」
一緒に寝るといっても、何かするわけでもないし距離を縮めるための必要事項である。
それだけ、だ。
何度も深呼吸をして私は自分の部屋を出る。