政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
「清川さん…」
「副社長でしたら今呼んできますが…その前にウエルカムドリンクを入り口でもらってきましょうか?」
「あ、ドリンク貰うんですね。すみません、緊張していて」
「いえ。もう少しで社長の挨拶が始まります。今日は親交を深めるためのパーティーですので、そこまで硬くならなくていいですよ」

スーツ姿の清川さんがそう言って私を気遣ってくれた。
赤いリップが良く似合っていて、喋りながらつい口元に目がいってしまう。清川さんがドリンクを取りに行ってくれている間、辺りを見渡していると
「日和」
「楓君!」
楓君がようやく私を見つけて駆けつけてくれた。

「遅くなった、ごめん」
「ううん、大丈夫」
「父親が今挨拶するから。そのあとに俺と一緒に挨拶に回ろう」
「わかった。今、ドリンクを清川さんが」
「あぁ、乾杯があるからね。そうだ、日和はアルコールは飲まないように」
「そうだね。今日は飲まない方がいいよね」

楓君は忙しそうだ。
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