エリート官僚は授かり妻を過保護に愛でる~お見合い夫婦の片恋蜜月~
「芽衣子、可愛い。きみは本当に可愛い奥さんだね」

その言葉に照れて頬が熱くなる。さらっと甘い言葉を言えるようになるなんて、うちの旦那様はどこまで進化してしまうの? 照れ隠しで駿太郎さんの胸をぽかぽか叩いた。

「駿太郎さん、出会った頃は全然言わなかったのに、最近そういう甘い言葉が出てくる」
「なんでも素直に言おうって決めたら、自然と出ちゃうんだよ。芽衣子は可愛い。ママになっても可愛いよ」
「くたくたに疲れてノーメイクなのに?」
「もちろん、すごく可愛い」

私たちは笑い合ってキスをした。
本当はこのまま抱き合って愛を確認してしまいたいけれど、せっかく美味しそうに焼けているグラタンと夫婦団欒の時間がもったいない。
きっと、私たちの息子はそんなにたくさん時間はくれないと思うから。

出会ったとき、これほど深く愛することになると思わなかった。赤ちゃんを授かったとき、気持ちが通じる日がくるなんて思わなかった。

私たちは先に夫婦になり、それから恋人同士になった。
パパとママになっても、まだまだ恋人の時間が足りない。この先、一生かけて恋を大きく育てていこうね。

「暖人が起きたら、俺が抱っこするから。急がず食べて」
「変わりばんこで抱っこしましょ」

私は微笑み、世界で一番愛しい旦那様を見つめた。

「私、駿太郎さんの奥さんになれて幸せです」




(おしまい)


ここまでお読みいただきありがとうございました。
2021.10.14 砂川雨路


< 85 / 85 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:484

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

かつて女の子だった人たちへ

総文字数/151,723

恋愛(その他)238ページ

表紙を見る
ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
  • 書籍化作品
表紙を見る
熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
  • 書籍化作品
[原題]じゃじゃ馬は馴らさずひたすら愛でるもの

総文字数/106,766

恋愛(純愛)207ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop