何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「こっちにも居た…。」
かずさが、その人物を見るなり、面倒くさそうにそう言い捨てた。
彼女は、天音達と別れ、その足で城の前の広場にやって来ていた。
広場の端の方では、りんがひとりぽつんと座り込んでいた。
「かずさ…。」
りんが、ゆっくりとかずさを見上げた。
「もう処刑はとっくに終わったわよ。」
相変わらずの冷たい視線が、りんを見下ろしていた。
「きょう…じ…は?」
りんは、恐る恐るその名を口にした。
「はぁ…。生きてるわよ。」
かずさは、大きくため息をつきながら、りんの問いに答えた。
何をそんなに心配する事があるんだ、と言わんばかりに。
「よかったー!!」
りんは突然大声を上げて、人目を気にする事なく、地面に寝転がった。
「…なんでそんなに心配するの?」
かずさは、りんのその気持ちを不可解に感じ、眉をひそめた。
「あったりまえやろー。アイツはわいのダチやからな。」
りんは、まるで当たり前のように、そう答えた。
彼にとって京司は、今や友達と呼べる存在になっていたのだ。彼が死んだら、きっとりんは悲しむのだろう。
「…何言ってるの?私達は…出会ってはいけなかった…。」
かずさは、そんな意味不明な事を言い出すりんを見て見ぬ振りをし、どこか遠くを見ながらつぶやいた。
天使教と友達?
そんな事はあり得ない。
「なんでや?わいは会えてよかったで。アイツの事知れたしな。」
そう言って、りんはいつものようにニカッと笑ってみせる。
「…あなたはいずれ彼の敵になるわ…。」
「…それは…。」
ザ―
人がちらほらとしかいない広場に、風が吹き荒れ、砂埃が舞う。
「いや、そんなのわからへんやろ?人生まだこれからや!」
そう言って、りんが突然勢いよく立ち上がった。
まるで、かずさの言葉を振り切るかのように。
「ありがとうなかずさ。教えに来てくれて。」
そしてりんはかずさに、もう一度優しく微笑んだ。
かずさが、その人物を見るなり、面倒くさそうにそう言い捨てた。
彼女は、天音達と別れ、その足で城の前の広場にやって来ていた。
広場の端の方では、りんがひとりぽつんと座り込んでいた。
「かずさ…。」
りんが、ゆっくりとかずさを見上げた。
「もう処刑はとっくに終わったわよ。」
相変わらずの冷たい視線が、りんを見下ろしていた。
「きょう…じ…は?」
りんは、恐る恐るその名を口にした。
「はぁ…。生きてるわよ。」
かずさは、大きくため息をつきながら、りんの問いに答えた。
何をそんなに心配する事があるんだ、と言わんばかりに。
「よかったー!!」
りんは突然大声を上げて、人目を気にする事なく、地面に寝転がった。
「…なんでそんなに心配するの?」
かずさは、りんのその気持ちを不可解に感じ、眉をひそめた。
「あったりまえやろー。アイツはわいのダチやからな。」
りんは、まるで当たり前のように、そう答えた。
彼にとって京司は、今や友達と呼べる存在になっていたのだ。彼が死んだら、きっとりんは悲しむのだろう。
「…何言ってるの?私達は…出会ってはいけなかった…。」
かずさは、そんな意味不明な事を言い出すりんを見て見ぬ振りをし、どこか遠くを見ながらつぶやいた。
天使教と友達?
そんな事はあり得ない。
「なんでや?わいは会えてよかったで。アイツの事知れたしな。」
そう言って、りんはいつものようにニカッと笑ってみせる。
「…あなたはいずれ彼の敵になるわ…。」
「…それは…。」
ザ―
人がちらほらとしかいない広場に、風が吹き荒れ、砂埃が舞う。
「いや、そんなのわからへんやろ?人生まだこれからや!」
そう言って、りんが突然勢いよく立ち上がった。
まるで、かずさの言葉を振り切るかのように。
「ありがとうなかずさ。教えに来てくれて。」
そしてりんはかずさに、もう一度優しく微笑んだ。