何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「どこにいったんだろう…。ピアス…。」
天音は、ベットの中で布団に包まりながら、ポツリとつぶやいた。
あれからずっと探し続けていたが、どこを探してもピアスは見つからなかった。
「あれは、私のお守りじゃなかったんだね……。」
じいちゃんはお守りだと言っていたが、そうではなかった。失くしてしまったのは、まるでその事を表しているかのように思えた。
それに、ただ天音が捨てられてた時に持っていただけで、あれがどこの誰の物なのかはわからない…。
————もう、私には必要ないんだ。
そう自分に言い聞かせ、天音はゆっくりと目を閉じた。
どうせ今日もまた、夢を見る…。
そんな事を考えながら…。