何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「それで私に何を聞きたいの?」
かずさは冷たい目を彼らに向けた。
「預言者殿。」
宰相が彼女をそう呼んだ。
かずさの前にいるのは、この国の政を行う者達。
しかし、そこに京司はいない。
「時代は何を望むのかしら…?」
かずさがポツリとつぶやいた。
「この国の行く末は…?」
彼らが知りたいのは、ただそれだけ。
それを聞くためにかずさを呼んだのだ。
そう、なぜなら、かずさはこの国直属の預言者だから。
「戦いに出る者は若者。」
かずさがおもむろに口を開いた。
「それは…。」
宰相は怪訝な表情を浮かべる。
「その力がこの国を脅かす…。」
そして、かずさは彼らから目線を外し、窓の外を見つめた。