何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】

「それで私に何を聞きたいの?」

かずさは冷たい目を彼らに向けた。

「預言者殿。」

宰相が彼女をそう呼んだ。
かずさの前にいるのは、この国の政を行う者達。
しかし、そこに京司はいない。

「時代は何を望むのかしら…?」

かずさがポツリとつぶやいた。

「この国の行く末は…?」

彼らが知りたいのは、ただそれだけ。
それを聞くためにかずさを呼んだのだ。
そう、なぜなら、かずさはこの国直属の預言者だから。

「戦いに出る者は若者。」

かずさがおもむろに口を開いた。

「それは…。」

宰相は怪訝な表情を浮かべる。

「その力がこの国を脅かす…。」

そして、かずさは彼らから目線を外し、窓の外を見つめた。


< 154 / 287 >

この作品をシェア

pagetop