何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「ひけー!!」
戦場の中シドが声を上げた。
今は正に、国の軍とシド達反乱軍が戦の最中。
一刻の猶予も許されない中、反乱軍は苦戦を強いられていた。
「シド!」
りんは馬に乗って指揮を執るシドに駆け寄る。
つい先日、反乱軍の一員となったばかりのりんも、今では戦力の一人だった。
「りん!とにかく今は逃げなくては!」
「わいにいい考えがある!」
シドの言葉を聞いたりんは、自信満々の笑みを浮かべ、馬の手綱を引いた。